筑波山の麓に居を構えて十三代。6代前の慶応三年より恵まれた米と敷地内の湧水を利用して男女川の酒造り開始。小倉百人一首にも歌われた、女体山と男体山の間を流れる沢の名を拝したこの酒は、創業以来、筑波山神社の御神酒として親しまれて来る。現在は六代目蔵元杜氏稲葉伸子が平成12 年より江戸末期より続く蔵元を継承。全国では少ない女性杜氏。伝統による酒造りの技法と、独自に学んだ醸造学や食文化の知識を融合。豊潤で繊細な酒造りには定評がある。稲葉酒造の仕込水は、今も蔵の裏山から沸き出る、筑波山の天然水。蔵元を訪れる人の喉を潤すこの水は、口に含むとそのまますっと体に入ってくるようなやさしい口当たり。滋味に富んだまろやかさが、お酒の性格にもそのまま反映。酒造りは、造る酒全てが、常に高い品質を保つ為に、計算に基づき洗米から発酵、麹造り、搾りに至るまで、機械では醸すことのできない蔵人の手作業による技法を屈して行う。搾りは、手間を惜しまず最も時間をかけた最高な搾り方法、「袋吊り」で行なっています。酒の質の一番高いところを自然の重みだけで一滴一滴落とした「雫酒」は、香りと味わいが凝縮された最高峰のお酒。